2011年2月28日月曜日

本を貫く

今日の大朝は曇り、少し肌寒いが春間近を感じる。残雪も残り少なくは成ったがまだ、しっかりある。
さて、さまざまな移り変わりの中、随所で「何が本で何が末か。」と考える機会が多い。ズルイ言い方であるが、今までは大目に見逃していたことが、見逃せない世の中に変わっているということであろう。
まさに世直しの時だ。さて、台湾で「日本精神」という表現がある。・・勤勉で向上心があって真面目。というような意味である。「あの店は日本精神でやっている。」というと信頼できるお店の事である。ご存知のように、台湾は50年間日本の統治下に置かれていた歴史がある。当然、光と影は存在するが、台湾のために誠心誠意力を尽くしてくれた日本人の物語は数多く残っている。また、記憶に新しいが、イラン・イラク戦争の時、日本人だけがテヘランに取り残された。フセインは民間であろうが領空を飛ぶものは爆撃をすると警告していた。外務省からの要請があったが日本の航空会社は安全が確保できないと拒絶した。そこで助けてくれたのがトルコ航空である。120年前、トルコ軍隊が紀伊半島沖で沈んだとき、日本の漁民が救って献身的に看病をした。その時の恩は忘れません。とチャーター便を飛ばしてくれた。どう言うことかバッシングを受けるだけの日本であるが、この二つの話は、日本の倫理観が成し遂げた偉業であると思う。また、その恩を忘れず継続できることも大切にしたい心である。全く今の日本の中で消えうせたことである。奇麗に着飾り、高学歴を持っていても、肝心のDNAが破壊していては、現実の迷走した社会になるのは当たり前だろう。「恩をあだで返す。感謝を知らない。自分だけ良ければいい。」そんな日本になってしまっている。日本の倫理観は見えないものを恐れてきた。二千年以上続いている日本の精神文化の基本である。「勿体ない事をしたらお天道様がみている」ご飯を食べる前に「いただきます」というのも外国語に訳すことのできない大きな言葉がたくさんある。
グローバル企業を中心にあたかも最先端を進んでいるように見えるが、技術や蓄積したノウハウを失うばかりか、魂まで失っているこの現実にだれかが気が付き、安心して暮らせる国民生活に戻してもらいたいものである。そのようなことを念じ、苦しみながら自らできることの実践を積んでいる。